2010年3月27日土曜日

オレンジ #18

エレベーターはあるが、一つ上の階までしか上がらない。私の部屋はもう一つ上の3階だった。
階段には様々な国の言葉でここに来た証を残すかのように名前やメッセージや絵が書かれていて、ライブハウスの楽屋のサインのようだった。エントランスには中田も泊まったよと中田の似顔絵が大々的に書いてあった。
部屋に辿りつくと誰もいない。昨日に引き続きドミトリーなのに誰とも出会わないのではないかと思った。私はドミトリーの感覚を味わいたかったため少し残念な面持ちになった。
部屋は昨日と比べると何倍も素晴らしい部屋で空調もしっかり効いており、とても暖かった。
部屋に荷物を置き、夜になるまで時間があったため、一人で観光する事にした。
フィレンツェはローマに比べると見たい場所が集中していてコンパクトに凝縮されている町だ。ローマと違い感じたのが町自体がとても綺麗で落ち着いた大人の雰囲気があった。花の都フィレンツェという言葉が当てはまるそんな町並みだった。
ホテルの近場の土地勘を身につけようと思い、その周りをウロウロしていた。フィレンツェのシンボルでもあるドゥオーモ、サンタマリア・ノッベラ教会等見つける事ができたが、今日見てしまうともったいないと思い、私は外から眺めるだけで中には入らずあまり写真も撮らなかった。
町の中を探検しているうちにお腹がすいたため駅の目の前にあるマクドナルドへ行ってみる事にした。
マクドナルドでは店員の眉間にシワがよっておりかなり嫌そうな感じで仕事をしていた。私は注文したい商品を決め列に並んだ。列に並んで待っていたのだが日本と違いなかなか注文ができない。しばらく待った後私の順番が回ってきたため、掲示板に書かれていた5番のクリスピーベーコンバーガーを頼んだ。店員は理解してくれたようだ無事に注文は通った。私はバーガーとコーラを先にもらいポテト待ちだった。左側にもポテト待ちの女性が一人。右側にはテイクアウト待ちの女性が一人。テイクアウト待ちの女性に関しては店員が飲み物を故意に上から落として袋に入れていた。日本でこんな事していたら大問題だろう。テイクアウト待ちの女性もさすがに頭にきていたようだが特別何も言ってはいなかった。パスポートに続きイタリアの人はよく投げるなと。しかしそれにも少しづつ慣れて来ていた。5〜10分ぐらい店員達とお客さんのギリギリのせめぎ合いを楽しみながらポテトを待ち、私は席に座りゆっくり落ち着く事にした。

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