マックで腹ごしらえをした後、再びフィレンツェの町に繰り出した。周りは少しずつ暗くなり、町は昼間とまた違う顔つきになっていた。
私はあまり地図を見らずに感覚で歩く事にした。地図かバックパックを持っていると必ず誰かが寄ってくる。その対応も面倒だったため、如何にも現地の人であるかのように振る舞う努力をしていたからだ。しばらく歩いているとファッション通りのような場所へ来てヴィトン、ブルガリ等のセレブブランドの通りにでた。
フィレンツェの町並みは中心はほとんど石畳でお店の外観も当時の建物のままだ。その中にいろんなブランドが内装だけをリノベーションしていた。どの店も美しく外観だけで十分満足できるぐらい素敵な作りだった。日本の百科店のようなものは一切なくほとんどが路面店だ。
その近くを歩き続けていると次は広場にでた。そこにはなんと広場内にメリーゴーランドが堂々とあった。
ローマから今まで沢山の広場を見て来たがこれは衝撃的だった。他にも似たような乗り物があるならまだわかるがここにはこのメリーゴーランドしかなかった。それもピカピカに輝いていて尚かつそれに乗っている子供達もいるではないか。なんでこの場所にこれがあるのかずっと疑問だった。その広場では他に色んな物売りがいた。ヴァチカンの時と違い今度はネズミ花火のようなイルミネーションのおもちゃと竹とんぼデジタル版だった。
町も本格的に暗くなり、いい時間になったので再度先輩のお店へ行く事にした。
お店に着くと営業は始まっていた。私は中に入り店員の方に「ナオさんを尋ねてきました。」というと「聞いています。こちらに座ってください。」と席に通された。
先輩のお店はサンタマリアノッベラ教会まで徒歩1分と最高の立地場所だった。お店は「番気ラーメン」というラーメン屋でかなりの人気店のようだ。
日本の先輩から道に迷ったらその辺りにいるイタリア人に「番気ラーメンどこですか?」と聞いて見ろと言われていたが本当に聞いたらわかりそうなぐらい繁盛していた。
私は席に座り注文をする事に。この店ではアサヒビールがあったためしばらく飲めないだろうから飲んでおこうと思い朝日ビールとラーメンを頼む事にした。
お店の中は満席でかなり忙しそうだった。この時点ではまだナオさんという方がどんな人なのかもまだわからなかった。