次の日の朝方松本さんが部屋を出る際に声をかけてくれた。私は寝ぼけながらも頑張ってくださいとエール送った。
私はしばらくして起き、支度をする事にした。
今日は、待望のフィレンツェのチャリ屋巡りの予定だった。準備をしているとなにやら置き手紙のようなものが。
松本さんだ。凄く嬉しかった。手紙には、こう書いてあった。
『博教さん
名刺受け取りました。
ありがとうございます。
一足先に出発します。
この先もお気をつけて。
よい旅を!!
01/02/2010 松本 崇』
私は感謝の気持ちでいっぱいだった。偶然の出会いがこうやって素晴らしい気持ちにさせてくれる旅の醍醐味を感じていた。私も松本さんの旅が素晴らしい旅になるよう心から願った。
その後、私は朝食を食べ、ナオさんの家へと向かった。
ナオさんと合流し「午前中が勝負だぞ」と言われ、9時から行動を開始した。フィレンツェだけではなくイタリアは昼休みがあるのが当たり前のようだ。
まずナオさんのチャリの師匠が経営しているお店へと向かった。
そこの師匠はとてもこわい方だそうで、よそ者がいきなり行っても追い返されるそうだ。そんな事を聞いていたため私はおとなしくしておこうと思った。
フィレンツェの中心から20分ぐらいだろうか、郊外にあるお店へと到着した。
そのお店には、cinelli、PINARELLO、Rossin、GIOS、様々なチャリが置いてあった。
私は中に入ったが入り口で待ってろと言われ、ナオさんが奥へと入っていった。
その後、呼ばれて私も奥へと入った。ナオさんが交渉してくれたようだ。
奥に入り、眼鏡をかけていて如何にも怖そうな親父さんに挨拶をし1つの自転車を紹介された。
Rossinの1978年のモデルでパーツはオールCAMPAGNOLOのチャリだ。
カラーリング、デザイン、サイズ、コンディション全てに申し分のないチャリだった。
私はアンティークで価格帯が安く状態の良い商品と条件の多いチャリ探しだった。1日回ってもタイミングがあわなければ1台もいい自転車はでてこないと思っていたが、いきなり目玉商品と出会った。
金額も日本では手に入らないような金額で驚いた。
Rossinを眺めたあと、しばらく考えると親父さんに伝え、外へでた。
そして、私達は再び他の自転車屋を巡った。10件近く回っただろうか、どこもアンティークの珍しいものは少しでてくるが状態が良いのがない。どこのお店も個性があったが、クロモリはあまりなく、カーボンばかりだった。やはりヨーロッパでは今カーボン等の新しいフレームのほうが人気だそうだ。
私達は昼休み前で時間もなかったため、再び確実な親父さんのお店に戻る事にした。
この時、私の中で、Rossinに決まっていた。
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