私は先輩方と一緒に今日昼間に知り合ったというイタリア人の家へ遊びに行く事になった。
細い路地を抜け、住所を頼りに進んで行くとある場所へ辿り着いた。
家のベルを鳴らしても何も反応がない。電話を鳴らしてもでない。
しばらく家の前で待っていると上のほうから自転車のハンドルを持って「チャオチャオ!」
と叫んでいるヒゲの濃いおっちゃんがでてきた。
そのおっちゃんは下へ降りて来てドアを開けてくれ、中へと案内してくれた。
ちなみに上から降りて来た時もハンドルを持ったままだった。
私たちは自転車を中に入れ地下へと通された。
地下に入ると、物置小屋みたいな場所だった。
壁は土壁で日本で言う防空壕のような雰囲気だった。おっちゃんは奥から一つのボロボロのフレームを出して来た。
ビアンキの1940年代のフレームだ。
ボロボロすぎてよくわからないがエンブレムだけはしっかり残っていた。
その後更に奥に入るとvannucchiというフィレンツェに昔あったブランドの自転車が出て来た。
この自転車はおっちゃんの知り合いの自転車らしく手放す事ができないそうだ。
初めてみたこの自転車は妙に空気感のある自転車だった。
その小屋には他にもビアンキの古いクランクだったりいろんな物が転がっていた。
かなりマニアックなコレクターで売るというより自慢したかったようだ。
私達は1時間弱ぐらいだろうか小屋を物色しおっちゃんの宝の部屋を後にした。
私はまだ自転車を見たいと思い、ナオさんに相談し、
「明日の月曜は自転車屋あいてますか?」
「明日は空いてるよ。明日見に行く?」
私は再び即答で「はい。」と答えた。
そうなるとまたまた急いでいろんな事をしなければならない。
電車、寝床の確保とホテルの変更だ。電車の時間が迫っているため最速の手順を考え、慌てて動き出した。
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