2010年4月26日月曜日

オレンジ #25

私は一人になり、オレンジの明かりがぼんやり出始めたフィレンツェの町を歩き始めた。昨夜ナオさんの家に帽子を忘れていたためお店に取りに行く事にした。
お店へ帽子を取りに行き、厨房横でビールを飲みながら話をしているとナオさんが、
「明日店休みだからチャリでフィレンツェ回るか?」
「はい!」
私は即答で答えた。
「じゃ、明日11時に店集合な。」
次の日の約束をした後お店をあとにした。

翌日、私は11にお店へと向かった。
その日は久しぶりの快晴でツーリングするにはこれ以上ないぐらいの天気だった。
私の相棒はダッコルディというイタ車の名車で、フィレンツェを走る事になった。
旅では毎日歩いていたため自転車の素晴らしさを改めて体感した。
自転車からの目線は、昨日通った場所でも歩いている時とまた違う景色だった。
何よりこんな遠い国でその国の名車に乗って町を走る事ができるなんて考えてもいなかった。
まずは、郊外の公園まで行こうと思い走り出した。
走り出してすぐサンタマリア・ノッベッラ教会の前の人だかりが目についた。
自転車を止め、覗いて見るとマーチングのようなものが行われていた。珍しくてついつい見入ってしまった。
その後再び郊外へと向かった。
公園までは20分ぐらいだっただろうか、興奮していて時間をあまり覚えていなかった。
公園に到着するとたくさんの人がいて、自転車、ローラースケート、ランニング等、各々自分の好きな事を楽しんでいるようだった。
偶然にもナオさんが乗っていたRossinに乗っているおじいちゃんがいたためナオさんが声をかけていた。こっちではこういうのは普通らしい。日本ではあまり見ない光景だ。
まずおじいちゃん達がそんな名車のロードに乗っている事はあまりない。
もちろん日本の名車とイタリアの名車が違うから仕方がない事だが、おじいちゃんと名車が斬新すぎて凄くスタイリッシュだった。
その後私たちは広い公園を一周しようと思い、ちょっと変わった不思議な橋を渡り一周し、最初の場所へと戻ってきた。公園内には映画にでもでてきそうな質素なワンダーランド、遊園地があった。
規模は「かしいかえん」の5分の1ぐらいだろうか。しかし、ヨーロッパの遊園地というのかなんというのか、面白い光景だったため私は見ているだけで楽しむ事ができた。

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