まさかと思い一度外にでて部屋の番号を見た。いや、合っている。
私はベッドのシーツも敷いて準備しておいたのに空いていなかった。
しかし、普通この時間に誰か帰ってくるとは思わないだろう。私は真っ暗の中空いているベッドを探した。
すると、その時一人が起きて声をかけてきた。中国人か韓国人のようだ。
「この部屋の人ですか?」
「はい。」
私は部屋のキーを見せた。
すると彼は安心したかのように再び眠りについた。もう一人寝ていたのは女性だった。その子も同じアジア系のようだった。
カップルの部屋は気まずいなと思いながら、とりあえずベッドに横になる事にした。しかしブランケットがなかった。多分寒いから2人のどちらかが使っていたのだろう。
私は起こして取るのはさすがに申し訳ない、とりあえず何も無しで寝ようと思った。しかしやはり寒い。寒くて何度も目が覚めたが、なんとか凌いだ。
そして朝方になると二人が準備をしている音で目が覚めた。
その時私の体にはブランケットがかけられていた。起きた時に気づいてくれたのだろう。
私は朝一シャワーを浴びる事にした。シャワーを浴びると男性の子が
「日本人ですか?」
とても流暢な日本語で話かけてきた。
「そうですよ。日本語喋れるんですか?」
「少しだけですね。」
それを機に彼とはよく喋った。彼が
「今からユースホステルのみんなでフィレンツェ巡りますが一緒にどうですか?」
好意のある言葉をかけてくれた。しかし私は、
「一人のほうが自由に回れるからいいよ。」
ちょっと大人な意見を言っていた。そんな自分が成長したなと感じて嬉しかった。
彼は残念そうに
「そうですか。一緒のほうが楽しいのに。俺はずっと姉ちゃんと一緒だから大変なんですよ。早く帰りたいです。」
「姉ちゃんなの?」
「そうです。姉ちゃんなんです。明日ローマに行ってやっと戻ります。」
そう言いながら彼はバタバタ部屋を出て行った。
彼らが部屋を出た後、部屋の鍵を忘れていたので私は走って彼らを追いかけて行った。すると丁度彼も走って上へ上がってきていた。
その後、再び彼とはお別れし私は部屋へと戻り準備をした。
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