「水は持ち込めない。」
福岡空港で水を1本買っておき、あとで飲もうと思いバッグに入れておいた水が問題だったのだ。水と言われたので私は先ほど機内から持ち出した小さな水を出した。
「それじゃなくて大きなボトルはないですか?」
「これですか?」
私は新品未開封のペットボトルを検査官に奪われてしまった。
その後、彼は私に対して今度は、
「あなたのフリースかっこいいね。」
その時着ていたのはパタゴニアのフリースだった。私は悔しかったのか
「ありがとう。でも私はノースフェイスのスタッフなんです。」
そう言うと彼は、
「そうなんですか。ノースフェイスは韓国にたくさんあるんですよ。でもパタゴニアは韓国にないから買えないんですよ。」
と笑顔で答えてきた。
私は、それならパタゴニアが欲しいのも仕方がないと思った。
その後も彼は仕事をしながら私に声をかけてきた。
「あなたの時計素晴らしい。私と一緒だよ。」
彼は私と同じSUNTOの時計をつけていた。しかし彼がつけていた時計は私の持っているNAVITECというモデルよりグレードの高いモデルでCOREの金縁のSUNTOだった。ちょっとだけ負けた気がした。
最後に私は検査官に対して、
「I'm アウトドアマン!!」
とわけのわからない英語をいいサヨナラした。彼は笑顔で見送ってくれた。私はあとで考えるとなんか恥ずかしい一言を言ったと感じた。
私はエレベーターを登りローマ行きの搭乗口へと向かった。1時間程、時間があったため歩き回ろうと思い、まず搭乗口を探し周辺をうろつき始めた。
今度はイタリアまで直行で長い飛行時間になると思い懲りずにまた水を買った。ついでに先ほど飲めなかったビールも。
うろうろしているとすぐに機内に乗り込む時間になった。私は、窓際の席の48Kという席だ。日本から出てくる時に隣に座る人も出会いだし、この飛行機に乗った時点で旅の流れが変わるかもしれない。そんな事を考えていた。常に旅の流れが変わる出会いがあるんじゃないかと思っていた。例えば、隣に座った人がイタリア人だったら仲良くなっておもしろいところを聞こう等と考えていた。
機内に乗り込み自分の座席まで行くと韓国人のおばちゃんが私の席に座っていた。
私はおばちゃんに対し、
「すみません、私の席です。」
というとおばちゃんは周りの仲間達に
「ほら、駄目じゃない。もう嫌だ。最悪。」
と言ったようにダダをこねて席を動こうとしない。私がじっと待っていると彼女は動いた。
おばちゃんは私に一切謝る事もなく、むしろお前のせいで私は窓際に座れないといった形相で私を見てきた。
私は無事に自分の座席を確保する事に成功し、少しがっかりした面持ちでビールを開けた。
Welcome home!!
返信削除オーレンジ#,日課にするよ~
white
パタゴニアいいね。今度見せてね。
返信削除でもノースフェイスの軽ーいダウンとっても着ごごちいいね。気にいってます。旅行には小さくなるし、とても重宝です。