異国の雰囲気が漂い始めたのは大韓航空機の中だった。
数分前までは、日本語だらけだったが飛行機に乗った途端、周りは韓国人ばかりだ。スチュワーデスも韓国らしい制服だ。日本人が乗る事が多いという事もあり、日本語のアナウンスが流れる。今からヨーロッパに向かうにつれて、どんどん日本語を聞かなくなるんだろうなと思った。
大韓航空の飛行機に乗って感じたのが、日本の飛行機と違って、あっさり出発した事だ。日本の飛行機は、なかなか出発しなくてイライラさせられる事が多い。それとも私自身の気持ちが高ぶって、時間が早く感じるのか。そう思い時計を見ると、ジャスト10時30分。
定刻通り飛び立った。
今回はまず福岡空港よりソウル空港へと向かう。
飛行機に乗って海外へと向かっているが、これから3週間も一人で旅をするという気が全くしない。
私は、ちまたでは有名な1人嫌いだ。1人で買い物に行くより、2人で行ったほうが楽しいし、1人で山に行くより2人のほうがおもしろい。
そんな私が一人で行こうと考えたのがおもしろい。
せっかくなら友達や彼女と行って共感したほうが楽しいと思う。それを誰よりもわかっておきながら気づいたら一人で出発。その答えは旅の途中でわかるのかなと。
そんな事を考えていたら、さっそく食事の時間。
乗る前に朝がゆセットとホットケーキを食べ、お腹はいっぱいでさすがに食べようとは思わない。
前方からドリンクのお姉さんがやってきている。韓国語でドリンクを聞きに回っているようだ。ビール、ジュースというのはわかった。調子にのってビールでも飲もうと考えていた。
前に座っている若い韓国人の2人組の男はジュースとコーラ。
そして私の番。
「お飲物はいかがなさいますか?」
あまりにも流暢な日本語でついびっくりし、
「ジュース」
と飲みたくもないジュースと言ってしまった。
この言葉の切り替えの早さ、一目で日本人と判断された事に驚いた。確かに自分も働いている時に韓国の方が入ってきたら雰囲気でわかるがこうもすぐ気づかれるとは思わなかった。
続いてワゴンのお姉さんが回ってきた。その女性も同じで私の横を通る時は日本語で声かけを行っていった。私は完全に日本の空気をまとっているのだろうと感じた。
機内食はサンドイッチと水。水はしっかりバッグに入れて持ち帰った。そういうところが私らしいなと感じた。出発する前に散々水には気をつけろと言われたからだ。
私は目の前にある雑誌を手に取った。どんな事が書いてあるのか目を通してみたところ、
全部韓国語と英語の表記。
そういう雑誌になると見るところは写真が中心になってくる。あとは英語を時間をかけて解読するしかない。しばらく読んでいるとパリのストリートシーンの事を書いている記事があったが読めない。やはり写真で判断するしかなかった。
そして、アーティスト情報のところにJAY-Zのインタビューと写真が掲載されていた。
JAY-Zがマンハッタンのような場所を背景に葉巻を吸っている写真と韓国語の文字があまりにもミスマッチな気がしておもしろかった。しかし日本語も同じなんだろうなと感じた。
その後、1時間ぐらいでソウル空港へと到着した。
早速おもしろい出来事が起こった。
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